▽ 要約
● 概念:M2は現金・預金・準通貨・CDの合計。● 日本:非居住者預金除外、国内銀行等が対象。● 米国:M1+小口定期+リテールMMF。● 最新:2025年7月は日1,269.6兆円・米22.115兆ドル。
投資や景気を語る際にしばしば登場する「M2」は何を示すのかが分かりづらいが、各国統計の定義を押さえれば読み解ける。結論として、M2(マネーストック)は現金・預金など経済主体が保有する通貨量で、日本と米国で構成・範囲が異なるため比較の際は注意が必要だ。本稿ではM2(マネーストック)を両国の定義差、読み方、2025年の最新水準を整理する。
M2の定義と範囲(日本・米国の違い)
M2は現金通貨・預金通貨に準通貨とCDを加えた通貨量であり、日本は発行主体を国内銀行等に限定、米国はM1に小口定期とリテールMMFを加算するため、構成が異なる。
日本のM2:『国内銀行等』限定の通貨概念
日本のM2は非居住者預金を除外し、国内銀行・外国銀行在日支店・信用金庫など「国内銀行等」の発行する預金と現金の合計のため、家計・企業・地方公共団体が保有する通貨量を精緻に把握できる。現金通貨は銀行券発行高と貨幣流通高から金融機関保有分を除いた概念で、準通貨には定期預金・据置貯金・外貨預金などが含まれる。マネーストック統計ではM1・M2・M3・広義流動性を並行公表し、対象範囲の違いで指標を使い分ける。
米国のM2:M1に小口定期とリテールMMFを加算
米国のM2はM1に10万ドル未満の小口定期預金とリテールMMFを加えた指標で、H.6「Money Stock Measures」として月次公表される。一方で米国は2006年にM3の公表を停止しており、2020年の規制変更と統計方法の見直しで貯蓄預金がM1に編入されたため、M1が段差的に拡大したがM2の読み方自体は大きく変わらない。
M2が注目される理由と読み方
M2は経済の流動性や信用の伸びを映す量的な環境指標であるため、物価・金利・資産市場の背景を把握するうえで補助線として有効だが、政策の直接目標ではない。
増減のドライバー:信用・金利・政策
銀行貸出の拡大や金利低下は預金増を通じてM2を押し上げ、逆に引き締め局面では伸びが鈍る。また、データ上の定義変更(例:米国の貯蓄預金のM1編入)のように構成要素の再分類が見かけの水準や差に影響することがある。
数字の使い方:前年比・季節調整・残高
短期の変化を捉えるには季節調整済みの前期比(年率換算)を、トレンドの把握には前年比や残高水準を用いる。国際比較は定義差(日本は「国内銀行等」限定、米国はMMFを含む)に留意し、動きの方向性と背景要因を併読するのが実務的だ。
最新データ(2025年)
2025年7月の日本のM2は1,269.6兆円(速報、残高)で、同月の米国M2は22.115兆ドル(季節調整済み、月次)となったため、両国とも直近は横ばい圏での推移が続いている。
▽ FAQ
Q. 日本のM2の範囲は?
A. 日本銀行の定義で現金通貨・預金通貨・準通貨・CD、発行主体は国内銀行等に限定され、非居住者預金は除外(2021年版資料)。
Q. 米国M2の内訳は?
A. M1に10万ドル未満の定期預金とリテールMMFを加算し、H.6で毎月公表(Board of Governors、2024–2025年)。
Q. 最新水準はどれくらい?
A. 2025年7月は日本1,269.6兆円(速報)、米国22.115兆ドル(季節調整済み、7月公表)。
Q. M3やマネタリーベースとの違いは?
A. 米国はM3を2006年に公表停止、日本のマネタリーベースは現金と日銀当座預金の合計で性格が異なる。
■ まとめ
M2は「民間経済主体が保有する通貨量」を測る広義の通貨指標で、日本と米国で構成要素と範囲が異なる。投資や経済分析では、定義差・統計の改訂・季節調整の有無を確認し、前年比や残高を継続的に追うことが実務的な判断につながる。




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