▽ 要約
• ● スケール EIP‑4844でL2手数料が低下し実需が拡大。
• ● 改良継続 2025年PectraでUXと帯域が前進。
• ● 資本市場 2024年に米国でETH現物ETFが上場。
• ● 共有安全 リステーキングで新サービスを下支え。
なぜイーサリアムは依然として強いのか、答えはL2によるスケール、計画的アップグレード、ETFに代表される資本市場の整備、共有セキュリティ、中立性を守る運用設計にあるため、イーサリアムが強い理由を5つの基盤から日付と数値で検証する。
スケーラビリティ:L2×ブロブが牽引
EIP‑4844の導入でL2のデータ掲載をブロブへ移し手数料が低下したため、処理の中心がL2へ移り実効スループットが拡大した。
2024年3月13日のDencun(EIP‑4844)はエフェメラルな「ブロブ」を導入し、ロールアップのデータ掲載コストを下げる設計でメインネットに到達した。これによりL2手数料が下がりやすい土台が整った。
L2の取引処理はL1を大きく上回る水準に達しており、直近1年平均で195 UOPS、L1対比のスケーリングファクターは約11.16倍、Base単独で105 UOPS・Ethereum L1は約17 UOPSという実績が確認できる。
経済規模でもL2の「Total Value Secured(TVS)」は直近1年で約3.9割増、総額約456億ドルが確認でき、開発・ユーザー双方の重心がL2へ移っている。
費用とDAの再設計
ブロブは約4,096エポック(約18日)で自動削除され帯域が主要制約となるため、長期保管コストを抑えつつスパイク需要を吸収できる設計が採られている。
継続的な改良:Pectraが次のUXを開く
2025年5月7日のPectraでEIP‑7702やEIP‑7691等が実装されたため、EOAのスマート化とブロブ帯域の増加によりL2とウォレットの体験が改善した。
Pectraは2025年5月7日10:05:11 UTC、メインネットのepoch 364032で有効化され、各クライアント実装の対応が公開された。
EIP‑7702はEOAに短期的なコード委任を許し、バッチ送信・ガススポンサー・代替認証・回復機構といったスマートアカウント的機能を可能にするため、ウォレットUXの幅を拡げる。
同時にブロブ帯域はEIP‑7691で平均6・最大9ブロブへ拡張され、検証者の効率面ではEIP‑7251によりMAX_EFFECTIVE_BALANCEが引き上げられたため、運用のスケール効率が高まった。
資本アクセス:現物ETFで機関資金が流入
米SECが2024年7月にETH現物ETFの上場を承認したため、証券口座からの規制準拠アクセスが整い、流動性の裾野が広がった。
米SECは2024年7月22日に上場を承認し、7月23日から取引開始となったことが報じられている。
共有セキュリティ:リステーキングとデータ可用性
EigenLayer/EigenDAの本番稼働により再ステーク済みETHをAVSが活用できるようになったため、ミドルウェアやデータ可用性層がイーサリアムの経済安全性を継承しやすくなった。
2024年4月9日にEigenLayerとEigenDAがメインネットで機能拡張段階へ移行し、AVS登録・委任などが可能となった。
中立性の設計:マルチクライアントとPBS
相互運用な複数クライアントとPBS/ePBS研究を前提に運用するため、単一実装依存や検閲耐性のリスクを分散しつつ進化を続けられる。
イーサリアムはクライアント多様性を重視しており、複数実装の採用による堅牢性が明示される。運用実態の可視化も継続され、指標サイトがシェアを公表している。
PBSは提案者とビルダーを分離し検閲耐性を高める設計で、現状は外部リレーを介したMEV‑Boostが主流だが、将来的なプロトコル内実装(ePBS)に向けた研究が進む。
▽ FAQ
Q. Dencun(EIP‑4844)は何を変えた?
A. 2024年3月13日、ブロブでL2データを掲載できるようになり手数料低下の土台が整った。
Q. Pectraはいつ何を導入した?
A. 2025年5月7日10:05:11 UTCに稼働し、EIP‑7702・7691・7251などでUXとスループット・運用効率を改善した。
Q. ETH現物ETFの上場開始は?
A. 米国で2024年7月23日に開始、SEC承認は7月22日で報じられた。
Q. ステーキング比率はどの程度?
A. 2025年中頃の推定で約29%(直近は29.6%前後)と集計されている。
Q. L2の現在の処理規模は?
A. 2024/08/25〜2025/08/24の平均で195 UOPS、L1比約11.16倍の規模が確認される。
■ まとめ
イーサリアムの強みは、①EIP‑4844以降のL2主導スケール、②Pectraに象徴される継続的改良、③現物ETFにより整備された資本アクセス、④リステーキング等による共有セキュリティ、⑤マルチクライアントとPBSで担保する中立性にあるため、開発はL2前提・AA対応で設計し、運用はクライアント分散とステーク方針を明確化、投資家はETF経由とオンチェーン参加の役割分担を意識するとよい。





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