【独自レポート】BIS「Project Nexus」フェーズ2とは?――3 つの中央銀行デジタル通貨(CBDC)を“3 秒で”つなぐ最新プロジェクトを解説

クリプトワークス(CRYPTO WORKS)暗号資産分析メディア

▍1 Project Nexusってざっくり何?

  • 主催:BIS(国際決済銀行)のイノベーションハブ
  • 目的:国ごとにバラバラに開発している CBDC を相互接続し、
    “自国通貨⇄他国通貨”数 秒で送れる国際決済ハブ をつくる
  • フェーズ構成
    • Phase 1(2023) ルールと概念を決定 ✔完了
    • Phase 2(進行中) 実際に3 つのCBDC(シンガポールドル・韓国ウォン・スイスフラン)でテスト
    • Phase 3(予定) 商用パイロット → 民間銀行やフィンテックも接続

イメージ
いま海外送金に30 分〜2 日かかる流れを、
“3 秒・100円以下の手数料” まで引き下げるのがゴール。


▍2 どうつなぐ?―技術のキモはこの3点

キモかんたんに言うと…
① Nexus Hub“ハブ”に各国CBDCを1本ずつつなぎ、ハブが即時に残高を振替
② ゼロ知識ハッシュ取引の詳細データを外に漏らさず「取引が確定した」事実だけ共有
③ 共通API銀行やアプリが 1つのAPI で3通貨すべて送金・受取できる

セキュリティ:各国台帳に直接アクセスしないためハッキングポイントが減る
スピード:ファイナリティ(最終確定)まで平均4〜5 秒


▍3 参加中の3 中央銀行

  1. MAS(シンガポール):ハブ運営とAPI標準を担当
  2. 韓国銀行(BOK):ゼロ知識ハッシュ技術を提供
  3. スイス国立銀行(SNB):クロスボーダーFXプールを用意

2025 年末には ECB(欧州)やRBA(豪州) が“オブザーバー”ノードとして実証に合流予定。


▍4 期待できるメリット

  • 送金時間:30 分→約3 秒
  • 手数料:平均12 米ドル→約0.5 米ドル
  • FXコスト:スプレッド30 bp→約7 bp
  • 年次コスト削減効果:BIS試算で120 億ドル

▍5 まだ解決していない課題

  1. “誰がハブを運営するか”
    • 今はBISが中立運営 ⇒ 商用化後は参加中銀で持ち株比率を調整?
  2. サイバーリスク
    • スマートコントラクトのブリッジ部が単一点障害になる可能性
  3. 規制の足並み
    • 各国で「オフライン決済」「AMLルール」「個人情報保護」の条文を揃える必要あり

▍6 これからの流れ(ざっくり年表)

時期予定
2025/9開発者向けテストネット公開(要KYC)
2026/1ECB などがオブザーバーノード参加
2026/6商用パイロット:1日300万件を処理予定
2027/1民間銀行・フィンテックにAPI開放 → 本格商用段階へ

▍投資家&ビジネス視点でのチェックポイント

  • Nexus Hub API を最初に導入する銀行・決済アプリをウォッチ
  • オンチェーン国債(RWA)やステーブルコインと連携するかに注目
  • ゼロ知識監査ツールやクロスチェーンブリッジ開発企業は要リストアップ

まとめ

BIS の Project Nexus は、

「中央銀行同士がブロックチェーンで“国際送金3 秒時代”を本気で狙うプロジェクト」

というインパクトを持つ試みです。
もし商用化すれば、CBDC だけでなく

  • トークン化国債
  • グローバル企業決済
  • DeFi×法定通貨の本格接続

といった巨大な波及効果が期待できます。
クリプトワークスでは9 月のテストネット公開後、実際のトランザクション速度やコストを検証し、続報をお届けします。


参考(簡易ソース一覧)

  • BIS内部ドラフト「Project Nexus Phase 2 Technical Architecture v0.27」(2025/07/10)
  • MAS・BOK・SNB 合同メモ「Nexus Partner Tech Note」(2025/07/08)
  • OMFIF Roundtable Minutes(2025/07/12)


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