ビットコイン4年サイクルの終わりを解説

ビットコイン,クリプトワークス

▽ 要約

● ハーフィング:2024年4月20日、報酬3.125BTCに半減。● ETF:2024年1月承認で恒常フローが市場に流入。● フロー:純流入が発行量450BTC/日を超える日が続出。● サイクル:供給起点から需要主導へ移り規則性が薄化。

「4年ごとに強気が来る」は通用するのかという疑問に対し、2024年の現物ETF承認とハーフィング後の資金フローの構造変化を踏まえると、ビットコイン4年サイクルの終わりが視野に入ったと考えられるため、従来のパターン依存を避けた戦略再設計が投資家のメリットとなる。

4年サイクル仮説の検証

ハーフィングが供給成長率を規則的に低下させるため、過去は「減少する新規供給→需給逼迫→強気」という循環が現れた。
2012年・2016年・2020年の半減期後はいずれも上昇局面が続き、直近の第4回ハーフィングは2024年4月20日(ブロック高840,000)に実施された。発行は6.25→3.125BTC/ブロックへ減少し、日次新規供給は約450BTCとなった。価格は2025年8月に約12.4万ドルで最高値を更新し、時間軸上は従来の「半減期後に高値更新」という経験則に見えるが、上昇の駆動因子は異質だ。

供給ショックから需要主導へ

現物ETFの設定・解約という恒常フローが市場の主役に転じたため、発行量による供給ショックの説明力は相対的に低下した。
2024年1月10日のSEC承認を機に、米国ETFは日次ベースで数億ドル規模の純流入を示す日が増え、2025年7月には2営業日で約10億ドルの流入が観測された。これは価格水準にもよるが、発行量(約450BTC/日)をドル換算で上回る規模の需要インパクトになりやすい。

市場参加者とマイクロ構造の変化

ETF経由の保有はカストディアンに集約され、店頭・先物・オプションとの裁定が高度化したため、資金循環は「アルトへ波及→全面相場」という旧来の連鎖を弱めた。
コインベースやグラスノードの分析が示す通り、中央集権取引所の残高は2025年初に約270万BTCまで低下し、現物ETFの保管口座への移動が需給の見かけ上の“供給逼迫”を生む一因になっている。

それでも残る“周期性”の正体

ETFの定常フローで大サイクルは鈍化した一方で、短中期の周期性は投資行動や制度イベントにより残存する。
四半期末の先物ロール、月末オプション満期、難易度調整に伴うマイナーのキャッシュフロー逼迫期など、マイクロイベントが変動の波を生む。2024〜2025年はMt.Gox返済や独政府の売却など“臨時供給”も局所的な下押しをもたらしたが、市場規模拡大とETFの吸収力で影響は限定化する場面が増えた。

価格と心理の「似て非なる」反復

過去サイクルに似た“高値更新→-20〜30%調整→再評価”のリズムは投資家心理とレバレッジ清算で繰り返されるため、見かけ上の周期は残る。
ただし、その発火点は発行量ではなく、流入・流出、金利観測、ガバナンス(規制・政策)のヘッドラインに連動する度合いが高まっている。

マイナー経済と難易度の波

半減で報酬が半分になったため、原価上昇と難易度の上振れが重なる局面ではハッシュレートの一時低下や機器更新の遅延が起こりやすい。
これが売却圧力を生む「ミニ・キャピチュレーション」の周期性だが、2024年以降はETF需要が相殺する場面も見られ、急落が長期化しにくい構造が形成されつつある。

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サイクル依存を捨てた投資設計

「4年ごとに買う/売る」の単純戦略は通用度が低下したため、フローと流動性を軸にしたルール設計へ移行したい。
実務上は①定額積立(DCA)と②上限リバランス、③イベント前後のポジション圧縮、④リスクパリティ的なボラ調整の併用が有効だ。日次・週次のETF純流入、先物建玉、先物・現物基差、ドル実効金利の変化を「警戒シグナル」として監視すると、サイクルに頼らない意思決定が可能になる。

見るべき指標のアップデート

オンチェーンの長短期保有比率、実現時価総額比(MVRV)、取引所残高、ETFの純流入と保有残高、先物の資金調達率を「五本柱」とし、価格より先に変化するフローの転換点を拾う。
流動性主導下では「需給点検表」を事前に作成し、各指標がしきい値を跨いだら自動でエクスポージャーを調整する運用が望ましい。

主なリスクと想定シナリオ

規制・税制の変更、ETFの一時的な大量解約、マクロの急激な金融引き締めが下振れ要因となる。
一方で、退職年金での配分拡大や追加の暗号資産ETF承認、地政学ショックに伴う「安全資産」需要の再評価は上振れシナリオとなり得る。

▽ FAQ

Q. 4年サイクルはいつが区切りですか?
A. 210,000ブロック毎のハーフィングで、直近は2024-04-20に840,000で実施され3.125BTCとなりました。

Q. ETF承認はいつで何が変わりましたか?
A. 2024-01-10にSECが現物ETPを承認し、日々の設定・解約という恒常フローが価格形成の主因に近づきました。

Q. 日次の新規発行量はどれくらいですか?
A. 報酬3.125BTC×約144ブロックで約450BTC/日です。価格次第でドル換算の需給ギャップが拡大します。

Q. 2025年の最高値とその後は?
A. 2025年8月に約124,000ドルの最高値を更新し、その後は10万ドル前後での調整と再評価を繰り返しました。

Q. 大口の売り圧力イベントは続きますか?
A. Mt.Gox返済が2025-10-31まで延長、独当局の約5万BTC売却など断続要因は残るがETFの吸収力が増しています。

■ まとめ

ビットコインの上昇・調整という見かけ上の反復は当面続くが、ハーフィング起点の機械的な4年サイクルは、現物ETFという恒常フローの登場によって説明力を失いつつあるため、今後は「供給ショックの周期」を盲信せず「資金フローの転換点」を軸にした分散・リスク管理を優先すべきである。

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